目次
詐欺の法律と刑罰(詐欺罪の適用範囲)
詐欺行為は 刑法・特定商取引法・消費者契約法 などによって厳しく規制されており、悪質な場合は 刑事罰の対象 となります。
詐欺師を訴える際に重要な 法律と刑罰の適用範囲 について解説します。
1. 詐欺罪(刑法246条)の適用範囲と刑罰
・詐欺罪とは?
■ 刑法第246条:「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」
■ 詐欺行為により金銭や財産をだまし取った場合に適用
・詐欺罪が成立する条件(4つの要件)
1.欺罔行為(ぎもうこうい)
→ 嘘や偽情報を使い、人を騙す行為(例:「必ず儲かる投資」など)
2.錯誤(誤解)
→ 被害者が詐欺師の嘘を信じてしまうこと
3.処分行為(財産の移転)
→ 被害者が金銭・財産を渡してしまうこと
4.因果関係
→ 詐欺師の嘘によって被害者が損害を受けたこと
■ この4つが揃うと「詐欺罪」が成立し、刑事罰の対象となる!
・詐欺罪の刑罰
罪名 | 刑罰 |
---|---|
通常の詐欺罪 | 10年以下の懲役(罰金刑なし) |
未遂の場合(未遂罪) | 詐欺未遂も処罰対象(刑法250条) |
特殊詐欺(オレオレ詐欺など) | 組織的な犯罪としてより厳しく処罰 |
詐欺グループの指示役 | 共犯として同様に処罰 |
→詐欺は「未遂」でも処罰される!
→罰金刑がなく「懲役刑」のみなので、重い犯罪とされる!
2. 特定商取引法による規制(悪質商法・マルチ商法)
・特定商取引法とは?
■ 訪問販売・ネット通販・マルチ商法などの不正取引を規制する法律
■ 虚偽の説明や誇大広告による販売は「行政処分」の対象になる
・違反行為と罰則
違反内容 | 行政処分 | 刑事罰 |
---|---|---|
虚偽の説明・誇大広告 | 業務停止命令 | 6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金 |
不当な勧誘(強引なセールス) | 業務停止命令 | 同上 |
マルチ商法の違法勧誘 | 事業停止命令 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
→悪質業者には「業務停止命令」や「刑事罰」が科される!
→マルチ商法(違法なねずみ講)は「3年以下の懲役」と重い!
3. 消費者契約法(詐欺的契約の取り消し)
・消費者契約法とは?
■ 不当な契約(詐欺・脅迫・誤認させる行為)を取り消せる法律
・違法な契約の例
1.「このままだと不幸になる」と脅され、高額な壺を買わされた(霊感商法)
2.「特別な情報だから今すぐ契約しないと損」と急かされた(情報商材詐欺)
3.「試用期間だけ無料」と言われたのに、自動的に課金された(サブスク詐欺)
→これらは「契約の取り消し」が可能!
→消費者ホットライン(188)に相談すれば対応してもらえる!
4. 電子計算機使用詐欺罪(ネット詐欺・フィッシング詐欺)
・ネット詐欺に適用される法律
■ 刑法第246条の2「電子計算機使用詐欺罪」
■ 銀行やクレジットカード情報を不正に入力し、金銭を詐取した場合に適用
■ 「フィッシング詐欺」や「クレジットカードの不正利用」が対象
・刑罰
→10年以下の懲役(通常の詐欺罪と同じ)
5. 詐欺に関するその他の法律
詐欺の種類 | 適用される法律 | 刑罰 |
---|---|---|
オレオレ詐欺・特殊詐欺 | 詐欺罪(刑法246条) | 10年以下の懲役 |
ネット通販詐欺・情報商材詐欺 | 特定商取引法 | 6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金 |
仮想通貨・投資詐欺 | 金融商品取引法 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金 |
マルチ商法・ねずみ講 | 特定商取引法 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
霊感商法・開運詐欺 | 消費者契約法 | 契約の取り消し可 |
フィッシング詐欺・カード詐欺 | 電子計算機使用詐欺罪 | 10年以下の懲役 |
6. 詐欺被害に遭った場合の対応
・すぐにやるべきこと
■ 銀行に連絡し、振込の停止・口座の凍結を依頼
■ クレジットカード会社に連絡し、不正利用を止める
■ 警察(110番 or #9110)に通報し、被害届を出す
■ 消費者ホットライン(188)に相談する
■ 証拠を確保(LINE・メール・振込記録・録音)
・弁護士に相談する
■ 法テラス(0570-078374)で無料相談
■ 民事訴訟で「返金請求」できる可能性がある
7. まとめ:詐欺罪のポイント
・詐欺罪(刑法246条)は「10年以下の懲役」!
・「未遂」でも処罰される(刑法250条)!
・特定商取引法・消費者契約法で詐欺契約の取り消しが可能!
・警察・消費者センター・弁護士に相談すれば、返金や法的措置が取れる!
詐欺被害を受けたら、すぐに警察・銀行・消費者センターに相談し、証拠を集めて対応することが重要です!
詐欺罪で逮捕されたら懲役?初犯なら執行猶予?逮捕後の流れを解説